What are Ketones?
ケトン体とは?
体を動かす、
もうひとつのエネルギー源
人間の体は、主に糖質をエネルギー源として利用します。
しかし、その糖質の供給が途絶えると
体内の脂肪が分解され、肝臓でケトン体を生成。
ケトン体を脳や筋肉などで
代替エネルギーとして利用します。
Benefits of Ketones
ケトン体に期待できる機能
脂質を味方につけるボディバランスサポート
一般的に、糖質制限などにより体内で「ケトン体」が作られると、糖質よりも脂質がエネルギー源として優先的に利用される代謝になることが分かっています。この脂質(体脂肪)を効率よく活用するサイクルは、体型管理をサポートするための鍵として、近年大きな注目を集めています。
体内のケトン体が増えることによってエネルギー代謝がどのように変化するのか、体脂肪、特に内臓脂肪との関連を含め、さまざまな研究が進められています。
- 糖質が制限されている間、体脂肪の分解からケトン体の産生までの流れが繰り返し続くことを示したイメージ図です。
ヒト試験による論文の結果
BMIが高めな方を対象に、特別な食事制限や運動をおこなわずにケトン体(D-BHB)を含む飲料を1日1本摂取してもらう試験を実施。その結果、ケトン体を配合していない飲料を飲んでいたグループに比べて、お腹の脂肪(内臓脂肪面積)が有意に減少したと報告されています。
| 対象 | BMI23〜30kg/㎡、20歳以上の健常成人男女(プラセボ群22名、D-BHB群21名) |
|---|---|
| 接種方法 | D-BHB 2.9g含有飲料を1日1本摂取(食事・運動制限なし) |
| 試験期間 | 12週間 |
- 出典:J Nutr Sci Vitaminol. 2023;69:121–128.
(本サイトのグラフは、上記論文に掲載された臨床試験データをもとに、一般向けに分かりやすく図解して作成したものです。)
毎日の食事マネジメントをサポート
健やかなライフスタイルには、日々の食事量を上手にコントロールすることが大切です。
現在、ケトン体によるエネルギー代謝と、「満腹のサイン」を伝えるホルモンの関係についても研究が進められており、日々の食習慣との関わりにおいても非常に関心が高まっています。
マウス試験の論文の結果
高脂肪食の摂りすぎで、脳に満腹感を伝えるホルモン「レプチン」が効きにくくなった肥満傾向のマウスを対象に試験を実施。レプチンとケトン体(D-BHB)を同時に投与した結果、レプチンのみを投与したグループと比較して、低下していたレプチンの作用が回復し、食事の摂取量や体重の有意な減少を後押ししたことが報告されています。
| 対象 | 高脂肪食で肥満誘導(約3か月)した、食欲コントロールのサインが働きにくくなったマウス(4匹/グループ) |
|---|---|
| 投与方法 | D-BHBを300mg/kg、1日1回投与を3日間継続。レプチンは試験前に脳内投与(ICV) |
| 試験期間 | 3日間 |
- 出典:Nutrients. 2026;18:582.
(本サイトのグラフは、上記論文に掲載された臨床試験データをもとに、一般向けに分かりやすく図解して作成したものです。)
運動時のエネルギー補給をサポート
ケトン体は、体内で利用されるエネルギーの一つであり、通常時の糖質とは異なる経路で素早く活用される特性を持っています。
近年の研究により、ケトン体は単にそれ自体がエネルギーになるだけでなく、激しい運動(ダッシュや筋トレなど)で酷使した筋肉の「一瞬のパワー源(クレアチンリン酸)」を維持・回復しやすくし、繰り返しの高強度運動を支える可能性があります。体内でエネルギーが生み出されるサイクル(TCAサイクル)との密接な関係についても研究が進められています。
ラット試験の論文の結果
ラットに各運動の10分前にケトン体(D-BHB)を投与した結果、投与しなかったグループと比較して、筋力系パフォーマンスおよび短時間最大運動系パフォーマンスが有意に向上したことが報告されています。
| 対象 | 10週齢の健常な雄ラット(6匹/グループ) |
|---|---|
| 投与方法 | 各運動の10分前にD-BHB(1000mg/kgBW)を皮下投与し、評価を実施 |
- 出典:Med Sci Sports Exerc. 2023;55(7):1184–1194.
(本サイトのグラフは、上記論文に掲載された臨床試験データをもとに、一般向けに分かりやすく図解して作成したものです。)
脳のパフォーマンスと休息を支えるエネルギー補給
脳は通常、ブドウ糖を主要なエネルギー源として利用しますが、その利用が低下した非常時には、別のエネルギー源を活用する仕組みを持っています。
その頼もしい第二のエネルギー源こそが、脂肪から作られるケトン体です。ブドウ糖と同じように脳へ直接届きやすい特徴があるため、エネルギー不足の脳で効率よく活用され、日中の健やかな働きをサポートします。
また、脳のエネルギー状態は認知機能や日中の作業効率、夜間の心地よい休息や睡眠といった「毎日の生活サイクル」とも深く関わっていることが注目されています。
ヒト試験の論文の結果:注意力
中高年の方を対象に、ケトン体(D-BHB)を含む飲料を摂取した結果、ケトン体を配合していない飲料を摂取したグループと比較して、内田クレペリン検査(計算作業効率の指標)の全回答数および正答数が有意に向上したと報告されています。
| 対象 | 40〜65歳の健常な日本人男女(計40名) |
|---|---|
| 接種方法 | D-BHB 3.5g含有飲料を1本摂取 |
| 有効性評価項目 | 連続計算テスト(内田クレペリン検査)→ケトン体摂取後テスト実施(15分間×2回(前半・後半の間に休憩5分挟む)) |
- 出典:Front Nutr. 2025;11:1470331.
(本サイトのグラフは、上記論文に掲載された臨床試験データをもとに、一般向けに分かりやすく図解して作成したものです。)
ヒト試験の論文の結果:睡眠
睡眠の質に悩みを持つ健常な成人男女を対象に、就寝の1時間前を目安にケトン体(D-BHB)を含む飲料を2週間摂取した結果、ケトン体を配合していない飲料を摂取したグループと比較して、睡眠中の特定の指標が有意に向上したと報告されています。
| 対象 | 20〜50歳の睡眠の質に悩みを持つ健常成人男女(30名/グループ)※ピッツバーグ睡眠調査票が6点以上の者 |
|---|---|
| 投与方法 | D-BHB 1.5g含有飲料を1日1本、就寝の1時間前を目安に摂取 |
| 試験期間 | 2週間 |
| 有効性評価項目 | OSA睡眠調査票MA版を用いて睡眠の各項目を評価 |
- 出典:Biosci Biotechnol Biochem. 2025;89:769–775.
(本サイトのグラフは、上記論文に掲載された臨床試験データをもとに、一般向けに分かりやすく図解して作成したものです。)
How to increase Ketones?
ケトン体ってどうやって作られる?
ケトン体とは、糖質が不足したときに、肝臓で脂肪から作られるエネルギー源です。そのため、意識的に糖質を控えることで、体内のケトン体は増えやすくなります。普段の食事でケトン体を増やすなら、糖質を極力控え、タンパク質は適量、脂質を多めに「ケトジェニックダイエット」が有効とされています。
糖質が十分にある状態
糖質が少ない状態
ケトン体が生成されるメカニズム
通常、人間の体は、主なエネルギー源として糖質を利用していますが、その糖質が枯渇すると、代わりに脂質を利用し始めます。脂肪が脂肪酸に分解され、肝臓でその脂肪酸がβ酸化され、その際に「アセト酢酸」「D-β-ヒドロキシ酪酸(D-BHB)」「アセトン」という3種類の物質が生成されます。これらの総称が「ケトン体」です。
ケトーシスとケトアシドーシスは別もの
- ケトーシス
-
糖質が枯渇した時に、脂肪を分解して生成されるケトン体をエネルギー源として利用する、正常なエネルギー代謝の状態
- ケトアシドーシス
-
糖質の血中濃度を一定に保つインスリンが不足することで脂肪が急激に分解され、ケトン体の過剰な増加を招いて血液が酸性に傾いた状態
※血液が酸性に傾くことで、めまいや倦怠感などの体調不良が生じることがあります。
ケトン臭とは?
体内のケトン体が増えると、アセトンなどの影響により、息や汗に特有のにおい(いわゆるケトン臭)を感じる場合があります。
こうした場合は、極端な糖質制限を避けて適度に糖質を取り入れることや、水分を十分に補給することが大切です。
さらに、適度な運動により汗をかくなど、日常生活の中での工夫も対策のひとつとされています。
Is Carb-Cutting Essential?
糖質制限なしでケトン体を外から摂取できる?
人間の主なエネルギー源は糖質ですが、不足すると脂肪が分解され、ケトン体が生成されます。ケトン体は体内で作られるほか、
サプリメントやドリンクから補給することも可能で、こうした外からの摂取は「外因性ケトン体」と呼ばれます。
これらを活用することで、厳しい糖質制限を行わなくてもケトン体の働きを取り入れやすくなります。
ケトン体が発生する仕組み
ケトン体は、体内で生成する方法と、体外から摂取する方法の2種類あります。
- 体内で生成する方法:
糖質制限やファスティングなど - 体外から摂取する方法:
ケトン体を含むサプリメントなど
- 糖質が制限されている間、体脂肪の分解からケトン体の産生までの流れが繰り返し続くことを示したイメージ図です。
外からのケトン体摂取で、
素早く体脂肪分解サイクルへ!
Q&A
ケトン体に関する
よくあるギモン
ケトン体は、糖質が少ない状態になると体内で増えます。
代表的な方法
- 糖質制限(ケトジェニックダイエット)
- 断食・ファスティング
- 長時間の運動
- 外因性ケトン体(サプリメント等)を摂取する
注意点
- ケトン体は体内で自然に作られるエネルギー源です。
- 健康な方が適切な範囲で取り入れる場合、重篤な有害事象の報告は多くありませんが、消化器症状や開始初期の倦怠感などが起こることがあります。
- 糖尿病で治療中の方、特にSGLT2阻害薬を使用中の方は、糖質制限や絶食がケトアシドーシスの誘因となることがあります。自己判断では行わず、必ず主治医にご相談ください。
目的やライフスタイルに合わせて摂取するのがおすすめです。
おすすめのタイミング
- お腹が空いたときや、食事の合間に
- 運動をする方は運動前
- 夜に摂取する習慣を取り入れたい方はお休み前に
健康な方が適切な範囲で取り入れる場合、重篤な有害事象の報告は多くありません。
ただし、ケトン体サプリでは下痢や胃部不快感などの消化器症状が、糖質制限の開始初期には倦怠感・頭痛・便秘などが報告されることがあります。体調に変化があれば中止し、医師にご相談ください。
次に当てはまる方は、自己判断で取り入れず、必ず主治医にご相談ください。
- 糖尿病で治療中の方(特にSGLT2阻害薬を使用中の方、1型糖尿病の方)
- 肝臓、腎臓、膵臓に病気のある方
- 妊娠中、授乳中の方
- 成長期のお子さま
- 脂肪酸代謝異常症などの先天性代謝疾患のある方
MCTオイルはケトン体の材料、ケトン体は実際に利用されるエネルギー源です。
- MCTオイル:肝臓で代謝され、ケトン体の生成に利用されます。
- ケトン体:体内やサプリメントから直接取り入れられ、エネルギー源として利用されます。
このページの監修者
- 五藤 良将さん
- 医療法人社団五良会 理事長 / 竹内内科小児科医院 院長
防衛医科大学校卒業。大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院などで自衛隊医官として勤務。その後、津田沼中央総合病院などを経て現職。中性脂肪や生活習慣病に関する研究・発信を行っている。
古代の人類は
ケトン体を活用していた!
農耕が始まる前の人類は狩猟・採取生活を送っており、空腹の時間が長くありました。そのため、体の中の脂肪からエネルギーを作り出す仕組みが発達していたと考えられます。つまり、ケトン体を上手く活用して生きていたのです。